浮気調査は連携が最重要事項

今回は思い出深い尾行、ヤサ割りのエピソードを紹介します。

対象者はバイク通勤をしているので、勤務先から調査を開始します。
2回、調査をしましたが、カラ振りで動きがありませんでした。そして、3回目に対象者が動きました。

こちらは車両1台(代表)とバイク1台(熱血探偵)の最強コンビで尾行に備えます。

車両メインの張り込みで対応し、バイクは目立つので姿を隠し、張り込み班からの連絡を待ちます。

勤務先のほとんどの社員が退勤した21時頃、「対象男性がバイクへ」の無線が入ります。即、バイクにまたがりスタンバイし、エントランスから出てくるのを待ちます。

この時間帯になると、交通量も少なくなり、バイクの尾行は細心の注意と集中力を要します。
すり抜けを多用する相手なら、見失う可能性も高く、「見失わず、なおかつ、気付かれない」尾行が求められ、特殊な技術が必須となります。

アーチネクストでは、車両とバイクの利点を活かし、フォローしあいながら、対象者のバイクを追尾します。

「対象バイクが出て、東方向へ」無線が入り、ヘッドライトが見えました。
信号のタイミングなども、あらかじめ把握しているので、慌てて尾行に入ることはありません。

想定どおり、対象者のバイクは信号で停止し、信号待ちをしています。バイクの数台後方へつき、車両の影に隠れ、尾行開始です。

すり抜けを繰り返し、そこそこの早いペースで対象者のバイクが進んで行きます。方向的には対象者の自宅マンションなので、取り敢えず帰宅と想定し、尾行します。

カラ振り(対象者が浮気相手と接触しなかった調査日)した調査時に、対象者のバイクの運転の癖なども把握出来ているので、着手時に比べれば、落ち着いて尾行できます。

カラ振りの調査も、対象者の面取りや歩き方、運転の癖などを把握出来るので、けっして無駄な事はありません。

調査とは小さな積み重ねから、情報を積み上げ、決定的な証拠を押さえる地道な作業です。
そこで、活かされるのは長年の経験から蓄積された、知識と探偵スキルです。

張り込みの方法、位置、撮影技術。尾行のスキルにしても、徒歩、車両、自転車、バイクなど移動手段によって、必要なスキルは撮影も含め、沢山あるので簡単に習得出来るものではありません。

経験に加え、地道な努力、絶え間ない探究心による調査方法の改善により、唯一無二のハイレベルな探偵が育成されると、信念を持って言える熱血探偵です。

さて、尾行のその後ですが、予想通り、対象者は自宅マンションへ入りました。
再び、張り込み体制に入り、約1時間後に対象者が動き出しました。

今日は動くと、直感を信じて、慎重に尾行に入ります。
対象者は軽快にバイクを走らせ、たどり着いたのは駅近くのバス停でした。
距離を取り、様子を見ていると、女性が現れました。浮気相手で間違いなさそうです。

対象者はヘルメットをバイクの収納ケースから取り出し、女性に優しく被せ、あご紐を装着しました。
女性がバイクの後ろに乗り、対象者の腰に抱きつき、出発します。
尾行の続行です。

対象者のバイクが京橋駅付近の繁華街の路地へ進入しました。
気付かれるないように、距離をキープしつつ尾行しますが、繁華街を抜けたバイクが、再び繁華街へ進入します。

気付いているのか?巻こうとしている?色々と思考を巡らします。

取り敢えず、どこか店を探していると想定し、尾行しますが、中々に困難なシチュエーションです。

車両、徒歩ならまだしも、相手はバイクなので、細い路地へ入り、スピードを上げられると、一瞬で見失ってしまいます。

繁華街を抜けた対象者のバイクはスピードを上げ、繁華街から離れました。
なんとか、代表の車両と交互に尾行を続行し、たどり着いたのはマンション横の小さな公園でした。

対象者達がバイクを降りて、公園のベンチに座り、いちゃつき始めました。

代表の車両はスキンシップを撮影するため、気付かれないギリギリの位置に停車し、証拠の撮影開始です。
こちらは、公園横のマンション駐車場付近で身を隠し、尾行に備えます。

1時間くらいの間に、対象者と浮気相手は抱きついてキスを何度も繰り返したようです。撮影も完璧です。キスシーンは証拠として大きいですね。

「対象者と女性が立ち上がりました」無線が入り、こちらもヘルメットを被り、尾行へスタンバイします。

さて、公園で盛り上がった不倫カップルの次の目的地はどこか?

バイクに乗り、出発した対象者達は再び繁華街へ入り、狭い一通の道路をゆっくり走行します。人通りが多く、狭い道なので、車両では思うように進めません。

すると、バイクが店の一角の駐輪場付近で停まり、バイクから降りた対象者達が歩いて移動を開始しました。

こちらも、バイクを道路の隅に停め、徒歩で対応です。何処へ行くのかと思いきや、入ったのはカラオケ店でした。

今度は立ち張りです。車両を停めれるような場所はないので、通行人に紛れて張り込む以外にありません。

1時間程で対象者達が店を出て、移動します。駐輪場からバイクを出し、楽しそうにふざけながら、バイクに乗った対象者と女性を再び追尾します。

狭い路地を軽快に走行するバイクを、気付かれないように尾行するのは、中々、大変です。

車両は離され、バイクで追尾するのがやっとの状況です。しかし、代表はこちらと位置情報の共有をしているので、問題はありません。

小雨がぱらつき、走行車両もほとんどない状況でしたが、なんとか、対象者のバイクがコンビニの駐車場へ入るところまで、気付かれずに、たどり着きました。

時間は深夜0時前、おそらくこの後はラブホテルか、浮気相手の自宅でしょう。

対象者が買い物をしている間に、付近のラブホテルを検索し、把握します。5分圏内に3件ほどのラブホテル有り。

代表車両も追いつき、スタンバイ完了です。いよいよ、というところですが、この続きは次回にアップさせていただきます。

中々、肝心のラブホテルや浮気相手の自宅にたどり着かないと、思われるかもしれません。

ですが、調査というものは、このように証拠を押さえるまでに、空振りの調査を含め、多くの障壁を超えなければ、たどり着けないものなのです。

そういった探偵の苦労も理解していただき、次回のクライマックスを楽しみにしてください。